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【サッカー指導論#1】小学生に「組織戦術」を教えるのは早い?

こんにちは。たか兄です。

今回はサッカーの「指導論」の話題です。

知っている方もいるかもですが、僕は「C級ライセンス」というコーチをするための、日本サッカー協会が与える資格を持っています。

まだ現場での活動はしていませんが、日ごろサッカーと触れ合う中で感じたことについて、今回は取り上げようと思います。

「育成年代に組織戦術は必要か不必要か」

結論から言うと、僕は絶対的に必要だと思っています。

なぜ今回このテーマを取り扱うかということも含めて、下で述べたいと思います。

サッカーは「個」が優れていれば勝てる?

日本の監督やコーチで、このような思考を持っている方は意外と多いように思います。

僕がサッカーを教わった監督やコーチがまさにそうでしたし、「とにかく上手くて強い選手を並べれば勝てるだろう」という考えが根本にある人が、まだまだ多い気がします。

ちなみに、日本サッカー協会のトップがそのようなお考えを持っています。

日本サッカー協会会長の田嶋さんは、2008年の北京五輪で日本代表が敗退した理由として「個の力」を挙げていました。

時計の針を進めて2018年のロシアW杯後にも、田嶋会長は同じように日本が世界相手に勝てない理由を、「個の力」と一言で総括をしていました。

つまり今も昔も、日本サッカーの問題点は「個の力」だという風に言い続けているわけです。

しかし10年経った今も、日本サッカーが強くなっている印象は全くありません。

これだけ何年もの間、「個の力が弱い」とか「球際のデュエル」だとか言われてきたのに、なぜ日本サッカーは進化しないのか。

それはいくら「個」を伸ばしたところで、「組織」として成熟していなければ勝てないという何よりの証左ではないでしょうか?

もちろん「個の力」を疎かにしていいという意味ではありません。

球際での攻防で優位に立つフィジカルモンスターだったり、PA内まで一人で突破できるドリブラーだったり、「個」で勝負できる選手の育成は日本サッカーの課題でもあります。

しかし、決して「個」を育てる練習を重点的にやっていれば勝てるようになるとは思ってはいけません。

どんなに個の力に優れた選手がいても勝てないことは、いろんなチームが示しています。

今のアルゼンチン代表がそうですし、歴代最強と言われるオリンピック世代の日本が、アジアでさえ勝てなかったのもそれが理由です。

「組織戦術」を若いうちから教わってこなかった弊害が、日本代表のチームを見ても露わになっています。

「ジュニア世代」と呼ばれる小学生年代では、選手の理解力が乏しいなどの理由で、戦術的な練習を避ける傾向があるようです。

『小中で「個」に重点を置き、戦術については高校生から』という考えが、日本サッカーの育成年代の常識になってしまっています。

しかし本当にそれでいいのか。

世界に目を向けると、スペインでは小学生から非常にレベルの高い練習をしています。

上の動画はスペインの小学生同士の8人制試合。

年代は6~7歳のカテゴリーです。

動画を観てもらえれば分かる通り、日本の子供たちとは明らかにレベルが違います。

日本の6~7歳と言ったら、「お団子サッカー」をしているお年頃。

同じ年代のスペインの子供たちは、これだけ流ちょうなパスサッカーを披露しています。

小学生年代では一人でも上手い子がいれば、それだけで全てを解決してしまうことが多々ありますが、この動画ではそういう選手は見当たりません。

後方からビルドアップを行い、サイドで幅をとっている選手を使って、相手中盤の選手を引き出して、数的有利を作りながらゴールを陥れる。

非常に綺麗な形のゴールですよね(#^^#)

下はスペインの小学生が守備アクションの練習を行っている動画です。

UP主も述べていますが、「一人が寄せて一人が真ん中のコースを切る」という基本的な守備の動きが出来ています。

これは当たり前といえば当たり前ですが、果たして今の小学生で意図してできている子が何人いるのか…

指導者の側も、「ただ真ん中にパスを通さないように守れ」など、曖昧な教え方になっていないか…

このようなところにも、日本サッカーとのレベルの違いが見て取れます。

この2つの動画が僕たちに示している通り、小学生年代でも「組織戦術」を植え付けてそれを実行することは不可能ではないということです。

解決策を提示できないコーチや監督がいる

しかし肝心の、「戦術」を教えられる人材が不足していることも日本サッカーの問題です。

これは実体験でもあります。

「あれをやってはダメ」「なんでこうしたんだ」

と怒鳴り散らしたりダメ出ししたりする割に、何も教えてくれない監督やコーチ。

僕は高校時代の監督がまさにこれでした。

僕は左サイドバックをやっていたのですが、右サイドハーフやウイングの選手のマークを見失って、裏をとられるシーンが結構ありました。

しかし、監督は「裏をとられるな」の一点張り。

挙句の果てには、公式戦でそのミスをした途端に、交代を命じられてベンチで怒られる始末。

当時は、自分を責めることしかできませんでしたが、サッカーを学んで少しは成長できた今、明らかにおかしいことに気づきました。

裏をとられているサイドバックに、「裏をとられるな」なんて言うのは誰でもできます。

「どうしたら裏をとられないようにするのか」の答えを明示するのが、監督の仕事ではないでしょうか?

キーパー寄りのスルーパスだったらキーパーが飛び出すように働きかけたり、少しポジションを下げて裏をとられないように指示したり、身体の向きを修正したり。

そういった具体的な指示がまるでなく、いつもピッチ上で「迷子」になっていました。

皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか?

解決策や答えを明示できないということはつまり、その監督やコーチに知識や戦術メモリーが欠如しているということ。

そんな監督があまりにも多いため、育成年代の組織戦術はいくら経っても向上しません。

日本では、「選手に考えさせる」とか「自由にやらせる」というのが美徳というか、その方法が一番選手のポテンシャルを引き出すことができるという風に考えている節があります。

しかしそれは間違いであり、ただの監督やコーチの怠慢に過ぎません。

実際に、日本サッカーが公式に出している「指導教本」には、「考えさせるような働きかけが重要だ」という書かれ方をしています。

「答えを言うのではなく、選手が考えて答えを導けるようなコーチングが大切だ」という風に書かれています。

しかし、これは監督やコーチがしっかりと「答え」を持っているから成り立つのであって、答えを持っていない監督やコーチが多すぎる現状、果たしてこのコーチング法が正しいのか甚だ疑問です。

「選手に考えさせる」と言うと聞こえはいいですが、監督やコーチが答えを持っているというのが前提にあるコーチング法です。

日本サッカーに組織戦術が浸透しないのも、選手に考えさせるだけ考えさせて、自分は何も答えを提示できない「お飾り監督」が多いことが、原因の一端にあると思えてなりません。

ジュニア世代から「組織」を意識した練習を

ジュニア世代から「組織」を意識した練習を取り入れることは必須です。

確かに「戦術」と聞くと難解に聞こえてしまい、小学生にとっては理解が難しい事柄かもしれません。

しかし「世界」を意識するなら、やらねばなりません。

簡単な言葉で簡潔に伝えることができれば、小学生でも十分理解できるはずです。

根気勝負にはなると思いますが。(笑)

もちろん「個」の部分も伸ばしながらになってきます。

シュート練習やパス練習、ドリブルなども織り交ぜながら、少しずつ戦術的な練習を増やしていきます。

「戦術を学ぶのは高校生からでも遅くない」

こういった間違った風潮を消し去って、幼いころから戦術と触れ合うのが当たり前になるような環境を作るのが、今の指導者の役割ではないでしょうか?

戦術を学ぶためには?

選手に戦術を教えるためには、まず監督やコーチ自身がサッカーを知っていなければなりません。

どのようなサッカーをするのか、その上で選手にはどのようなタスクを課すのか。

失敗や問題に対して、すぐさま解決策を提示するのも監督やコーチの役目です。

従って、豊富な戦術知識を持っていることが非常に重要になります。

ではその知識をどこから吸収すればいいのか。

僕が戦術を学んだのは3冊の本です。

坪井健太郎さんというスペインで指導をされている方が書かれた「サッカーの教科書」

これを読めば、戦術の基本的な部分は間違いなくマスターできます。

「攻撃」「守備」「ノーマル版」の3種類。

基本的なサッカー用語の解説や、プレーモデルの構築、トレーニングの方法まで、戦術について幅広い情報を得ることができるので、この3冊を読み込めば戦術の基礎は万全です。

もし指導者で「戦術」について学びたいという方がいれば、ぜひお手にとってみては?

まとめ:ジュニア世代から「組織」を植え付けることが大切

今後の日本サッカーの発展のためには、組織の重要性をジュニア世代から教え込むことが大切になってきます。

静岡学園高校の躍進などもあって「個」に意識が向きがちですが、あくまで優先すべきは「組織」の部分。

サッカーはチームスポーツですし、「チームとしてどうやって攻撃し、守備をするか」というところにフォーカスをするのは当たり前のことです。

それをごまかして、とにかく「個」だと言っているのが日本サッカーのトップにいると思うと、改めて異常事態だと嘆息せざるを得ない状況。

とにかく「小学生にはまだ早い」と思っている指導者の方々には、今すぐにでも方針を転換してもらって、戦術練習にも力を入れてほしいと思います。

それでは!

 

 

 

 

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