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【サッカー指導論#3】練習メニューに「ラントレ」は必要?

こんにちは。たか兄です。

今回は「ラントレの必要性」という話題で書いていこうと思います。

どのスポーツにも取り入れられるラントレ、いわゆる「走り込み」ですが、サッカーの練習で本当に必要なのでしょうか?

学生時代、持久力を付けるためにこれでもかと走らされた経験は、サッカー経験者なら誰しもあると思います。

結論から言うと、僕は不要だと考えています。

その理由も含めて紹介していこうと思います。

あらゆる指導者の参考になれば幸いです。

ラントレの効果


ラントレが不要だと思ってはいるものの、ラントレの効果はあります。

その効果の最たるものは、やはり「全身持久力」

試合終盤まで走り切る能力、心肺機能を上げてスタミナや粘り強さを身に付ける。

そういった狙いで、多くの指導者がラントレを練習メニューに組み込みます。

ではメリットがありながら、なぜ僕はラントレは不要だと考えるのか、これから説明します。

ラントレが不要だと考える理由1:しんどい

選手時代のことを思い出してください。

もしくは、今まさに選手として過酷なラントレをこなしている人もいるかもしれません。

しんどくないですか?

ボールも触れずに、ただ走るだけ。

体力的にもメンタル的にも自分を追い込む必要があるため、かなり消耗します。

監督の口から告げられる「ラントレ」の4文字は、まさに地獄の始まり。

ラントレをすることが決まっている日の朝昼の憂うつ感、友達と愚痴を言い合ったのも、今となっては良い思い出です。(笑)

ラントレで持久力が付くと、漫然と思っている指導者が今も絶えないですが、選手からしたらたまったものではありません。

選手のモチベーションにフォーカスしたときに、ラントレほど選手を消耗させるものはありません。

ラントレが大好きで、走ることが大好きで、大喜びする変態も中にはいますが、ほとんどの選手があからさまに嫌がります。

モチベが上がらないとどうなるかというと、手を抜きます。

100%で走れるのに、わざとペースを落として走ります。

指導者目線だと明らかなサボり以外、サボっていることは分かりません。

心拍数を高めようとはっぱをかけたり、タイムや距離を設定することで、多少はペースを管理することもできますが、やはり選手の気持ち次第にはなります。

さらには、気持ちが乗らないと怪我をする要因にもなります。

僕の場合も、過度な走り込みが原因で「シンスプリント」という過労性の怪我を負いました。

しんどい上に、それに見合う効果も期待できないばかりか、怪我をするリスクまである。

ラントレで真剣に走らないことを選手のせいにすることは簡単です。

「なんで真剣に走らないんだ」「こんなんじゃ勝てない」「走れないならサッカーやめろ」

こういった怒号がラントレを課す監督の常套句ですが、選手への押し付けに過ぎません。

メンタル的な話にはなりますが、選手が嫌がってモチベが上がらないようなことを無理矢理やらせても、効果は薄いと思います。

厳しいラントレを承知で入部したのならば、少し事情は変わってきますが。

それでもやはり人間ですから、厳しい走り込みが続くと、どうしてもモチベーションが下がって、強度も落ちます。

それにサッカーはボールを使う競技です。

練習の最後に組み込む「ゲーム形式」はみんな大好きですよね?

つまりゲーム形式の練習で走れれば、選手のモチベーションも保てるし、試合に近い強度も出せるしで、最高じゃないですか?

これは僕の経験から来る常識なので、他の人がどうか分かりませんが、「ゲーム形式は楽しむためのものだから、多くの時間を割く必要はない」って考えてる指導者多くないですか?

ゲーム形式を最後の10分程度しかとらなかったり、僕が経験した中で最もひどかった監督は、一切ゲーム形式の練習をやりませんでした。

ゲーム形式は試合に一番近いメニューのはずなのに…理解に苦しみます。

苦しいラントレを選手に課すだけ課して、自分はろくに何も考えず、ただ走れない選手を叱る。

そんなのは指導でもなんでもありません。

少し逸れましたが、しんどいとほとんどの選手が思うラントレは、選手のモチベーションを高める・維持する観点から、全く必要ありません。

そんなにしんどいことをやる必要が本当にあるのか、科学的な見地からも、ラントレの必要性はないという結果が出ています。

ラントレが不要だと考える理由2:有酸素運動だから

ラントレは一定の距離や時間を、ただ走るだけという形がほとんどだと思います。

しかしサッカーで必要な持久力は、本当にそのようなラントレで見につくのでしょうか?

サッカーはマラソンのように一定の距離を、一定のスピードで走るスポーツではありません。

ランニングと言うのは有酸素運動で、サッカーにはランニングだけではなく、ジャンプやスプリント、切り返しなどの無酸素運動も必要になってきます。

一定のスピードで走り続けるサッカー選手なんていないですよね?

つまり有酸素運動だけでは、サッカーに必要な持久力を鍛えるのに不十分だということになります。

では、試合で必要になる持久力を鍛えるにはどんなトレーニングが必要なのか。

それはズバリ、「インターバル走」です。

ダッシュして…歩いて…ダッシュして…歩いて…と繰り返すアレです。

インターバル走ならば、前からのプレッシングやスペースへの一瞬の飛び出しなど、試合中のあらゆる場面で必要になる「スプリント」の力を上げることができます。

しかし、これはあくまで「一つの体力メニューと割り切った上で」の話です。

こんな話があります。

世界的にも有名なバルセロナのメッシ選手。

毎試合のようにゴールを決め、30歳を超えた今でも世界トップレベルで活躍している、まさに生ける伝説。

そんな彼は、試合中に必要以上に走らないことでも有名です。

一試合の走行距離は6~8kmに留まります。

それでも点を取ってチームを勝利に導いてします。

メッシ選手は走らない選手ではありますが、走れない選手ではありません

フィジカル的な側面で見ると、メッシ選手はスプリントの質が非常に高い、つまり、無酸素能力が高いと言えます。

トロトロ歩きからの一瞬のスピード、スペースへの動き出しの速さなど、走行距離が少なくても、点を獲れてしまいます。

現マンチェスター・シティの監督で、昔バルセロナでメッシ選手の指導をしていたジョゼップ・グアルディオラ監督は「メッシ選手が走らない」という話題に対して、「彼はボールのため、ゴールを決めるためならいくらだって走るよ」というコメントを残しています。

メッシ選手のように、走行距離が短くても要所で効果的なスプリントを繰り返すことができる選手は、素晴らしい選手と評することができます。

有酸素能力はもちろん必要ですが、それはラントレ以外の練習メニューで獲得すべきもので、一定のスピードで走るだけの練習に効果はほとんどありません。

つまるところ、有酸素運動をわざわざメニューに組み込む必要はないですし、割り切った上で無酸素運動を組み込むのは場合によってはアリだと思います。

ラントレが不要だと考える理由3:サッカーの練習にならない

ラントレってただ走るだけですよね?

30分間走でも、クーパー走でも、インターバル走でも、それは変わりません。

果たしてそれで、サッカーに必要な能力を身につけられるでしょうか?

サッカーに必要なのは持久力筋力だけではありません。

状況を素早く認知して、判断して、実行に移す速さ。

ボールを扱うテクニックも、もちろんラントレでは向上しません。

ボールが扱えなければ、サッカーに必要な思考力がなければ、いくら持久力があっても試合に勝つことはできません。

それなのにラントレに固執する指導者は、一体何を目的としているのでしょうか?

少し僕の話をすると、僕が在学していたJ大学のサッカー部は、入部するための試験として「クーパー走」を課していました。

クーパー走とは有酸素運動のテストのことを指すのですが、J大学のサッカー部では「3350mを12分間で走る」テストをクーパー走と呼んでいました。

12分間ただ走るだけというのがテスト内容で、練習メニューの一環としても行われていました。

このように大学のトップレベルでも、有酸素運動が練習メニューに組み込まれているのが、日本サッカーの現状です。

前のメッシ選手の話と総合すると、優秀な選手を育成するうえで、サッカーの技術も見につかない、サッカー的な走りでもない「ラントレ」は一切不要だという結論になります。

まとめ:ラントレは不要

ラントレを練習メニューに組み込む行為は、漫画家がラーメン屋に弟子入りするようなもの。

「目指すべき場所に至るために必要なスキル」を学べていないということです。

あんまりうまくないですが。(笑)

未だにラントレを組み込む監督は多いと聞きます。

ラントレを必要だと信じる人、ラントレがサッカーとは関係ないことを知らない人、知った上でそれでも組み込む人。

様々いますが、何度も言うように、ラントレではサッカーに必要な体力・技術・思考力は何も身に付きません

身に付くのは全身持久力。

それもマラソンなどの、ただ走る場面でのみ生かされる「有酸素能力」のみ。

試合中で必要な走りは「いつ、どこで、どのくらいのスピードで走るか」です。

この判断が伴わなければ、いくら長い距離走り回ることが出来ても、「良い選手」とは言えません。

なのでラントレをする時間があったら、ボールを使った練習をするべきだと説きたいです。

ただそうはいっても、チームの練習環境や人数の問題もありますから、そのようなチームでは定期的にラントレを組み込むことはやむなしだと思います。

そのような場合は「素走り」ではなく、「インターバル走」などの無酸素能力を鍛えるメニューが理想です。

僕は指導者の端くれですが、ラントレを選手に課している指導者とは相容れないと思います。(笑)

その人と杯を交わすことは恐らくないでしょう。(笑)

冗談はさておき、ぜひラントレを組み込んでいる指導者の方がいれば、一考していただけると幸いです。

それでは!

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