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【マッチレビュー】明治安田生命J1リーグ 第4節 大分トリニータ対ヴィッセル神戸

こんにちは。銀さんです。今回は第4節大分戦のマッチレビューをしていきたいと思います。神戸は3試合を消化して1勝1分1敗。タレントからすれば少し物足りない気もしますが、落ち込んだり喜んだりする暇もなく、連戦が続いていきます。今節の相手は大分。アウェイでの戦績はわずか1勝と、かなりの苦戦を強いられてきた鬼門です。大幅なターンオーバーが予想される今節。ポゼッションを志向するチーム同士の戦いはどんな結果になるのでしょうか。

【マッチプレビュー】明治安田生命J1リーグ 第4節 大分トリニータ対ヴィッセル神戸こんにちは。銀さんです。今回はアウェイ大分戦のプレビューをお届けします。2日前に行われましたアウェイ鳥栖戦で待望の今シーズン初勝利を飾っ...

スタメン

大分は3-6-1 神戸は4-3-3

 

まさかまさかのスタメンでした。神戸の方はなんと、先発を6人も入れ替えてきました。全員日本人で占められるという神戸らしからぬスカッドになっています。(笑)サイドバックと右CBに入った藤谷と菊池はおそらくJ初スタメンではないでしょうか。中盤の大黒柱・イニエスタは案の定ベンチ外になっていますが、まさかサンペールやダンクレーまでベンチ外になるとは。少し驚きました。前線はトップに藤本が入り、右WGには田中が入ります。予想ではドウグラスがトップに入ると思っていましたが、藤本が入りました。相手が自陣に引きこもる展開も予想される中で、どれほどの存在感を発揮してくれるのか。古巣相手の活躍に期待です。

配置は予想通り3-6-1対4-3-3です。お互いのビルドアップに対してどういったアプローチで臨んでくるのか、しっかりと見ていきたいと思います。

 

前半

大分のハイプレス

神戸の狙いを見ていきましょう…と意気込んだ瞬間。なんと前半始まって20秒で先制点が決まってしまいます。(笑)古橋が落ち際のボールを左足で綺麗にミートして素晴らしいボレーシュートを叩き込みます。3年前のバルセロナ戦で決めた柴崎のゴールを思い出しましたね。まさに電光石火の一撃。しかし偶然生まれた得点ではありません。この開始20秒足らずの一幕でも、神戸の狙いがしっかりと詰まっていました。

相手WBがボールを持った瞬間、WGの古橋とSBの酒井がサンドしてボールを奪っています。古橋が後ろで待つCBへのパスコースを切り、酒井がOHへ入るくさびのコースを切り、中で待つDHへのパスコースを藤本がしっかり切っています。近くのパスコースが全て切られている状態を意図的に作り出して、そこで奪ってからのショートカウンターで得点が生まれています。

プレビューにおいて、イニエスタがいなくなることで守備の強度が上がると書きましたが、まさに開始20秒でそれを証明する展開となりました。(笑)少し面を食らいましたが、監督もこの1戦に向けて、イニエスタを経由して綺麗に崩すサッカーよりも、より守備的な戦いをするというところをフォーカスしてきたと思います。早速それが実ったということであり、偶然生まれた得点ではありません。古橋も強く脚を振るというよりもインパクトを重視した力の抜けたシュートで、実況の方は「簡単に見える」とおっしゃっていましたが、全く簡単には見えませんでした。(笑)プレビューでも触れましたが、古橋には覚醒してほしいと思っていたので、個人的にも嬉しい1点となりました。

神戸はメンバーを入れ替えましたが、基本となるサッカーは変えません。後方DFラインからショートパスを繋いで崩していくスタイルです。ただ今節ではイニエスタが不在。残念ながら不在を感じさせてしまうシーンが、前半は続いてしまいました。神戸はいつも通り後方から繋いでいきますが、ハイプレスでボールをかっさらわれて何度もピンチを迎えていました。

WG古橋のマークを捨てて嵌めに行く

 

失点は酒井のパスがCBにカットされた流れで生まれています。このときCBは古橋のマークを捨ててCHの郷家に寄せています。これは準備していないとできない判断です。出るタイミングが早ければそのまま古橋がDFラインの裏に抜け出しますし、遅かったら郷家が持ち上がって、古橋を合わせて相手CBと2対1の数的優位を得ることになります。なのでかなりシビアな局面ですが、岩田はタイミング良くインターセプトを狙い、成功させています。

大分は左サイドに神戸の攻撃が集中することを研究した上で、サイドバックへとボールを誘導し、そこから中に入ってくるパスを狙うための準備をしっかりしており、まんまと術中にハマってしまった結果となりました。どこかでポジションバランスを崩して数的不利を受け入れる場面が必要ですが、いつ勝負を仕掛けるか、どこで勝負を仕掛けるがチームとして共有されていた大分は、たたき上げのチームらしく、やはり組織立っていました。

神戸は前半何度もこのようなハイプレスでピンチを迎えていました。失点シーンの前も3度ほど決定機に近いチャンスを作られてしまっています。そこで修正できなかったのが痛かったです。酒井はロングボールをシンプルに蹴ってもいいのではないか、と主張していたみたいですが、DFラインは執拗にショートパスにこだわっており、大分とは真逆でチームで意思疎通が出来ていないように映りました。

後方での繋ぎからアタッキングサードでの崩しまで、全てを担っていたイニエスタがいない状況。そしてスタメンが6人が入れ替わって、チームとして成熟していない状況も加味すると、やはりショートパス一辺倒で崩すのは無理があります。スタイルを貫くのも良いですが、大分に上手くそこを突かれて、ショートカウンターを浴びてしまいました。1失点で済んだことをむしろ喜ぶべきだと思います。

神戸ボール保持時

神戸はボランチに入った山口がサリー(ボランチがDFラインに下りる形)でビルドアップに参加します。見慣れた形ですね。サンペールがボランチの時も同じ振る舞いをします。後方はCBも含めて3枚で回す形。しかし対する大分はCFとOHを合わせた3人でカッチリ嵌めることが出来るのがスタメンの配置を見ると分かると思います。

逆サイドを捨てて密集を作る大分の守備

 

そしてDHの2人も下りて来たCHの安井と郷家に付き、SBにはWBが付くことでマークが完全にハマった状態を作り出していました。失点を喫したシーンでも元を辿れば、大﨑がパスコースを探しているところを引っかけられたところから始まっています。大﨑がビルドアップの中心になること、そして少しボールを持ちすぎるきらいがあることをしっかり研究してきた、大分の狙いが現れていたシーンでもありました。

後方3枚に対して相手もポジションバランスを崩すことなく同じ3枚で対応できる状況というのは、守備側からしたら一番楽な状況と言えます。神戸側としては、ビルドアップを円滑にするためにも枚数を増やすなどの対応をするべきでしたが、前半は動きがないまま終わってしまいました。GKも含めた4枚で対応するシーンもありましたが、なかなか効果的な前進をすることはできず。ミスが続いていた飯倉に対して、フィンク監督が感情を露わにするシーンもありました。

前半開始早々にスーパーゴールで先制した神戸ですが、自分たちが志向するサッカーを封じられ、相手の狙い通りの形でビルドアップを遮断され、何度も危ない場面を作られてしまい、鮮烈なゴールの興奮が冷めてしまうような前半戦になってしまいました。メンバーを6人入れ替えてのフレッシュな面々だったので、連携面で問題を抱えるのは仕方ない部分ではありますが、後方からのビルドアップでの対応力、そして飯倉や大崎など、いつもの面々が頼りないプレーに終始したこと、多くの改善点が出た前半となりました。修正含めた後半の立て直しが期待されます。

後半

配置変更

後半にフィンク監督は大胆な策に出ます。なんとDHの山口を一列下げてCBにして、大﨑と菊池と3CBになり、配置も3-5-2に変更します。

山口がCBに、安井がDHに入る

 

セレッソ時代の山口も少しだけ知っていますが、CBをやっていた記憶はありません。常にボランチかインサイドハーフのどちらかで使われていた山口を、フィンク監督はCBに落とします。確かに守備力もあってパスも丁寧に捌ける山口なら適任なポジションではありますね。とんでもない隠し玉を持っていました。(笑)

3バックに配置を変更した神戸ですが、もちろん狙いはビルドアップを楽にすること。前半はショートカウンターで何度もピンチを招いていましたが、配置の変更によって少し状況が好転します。

ビルドアップの枚数を増やす

 

単純にボールの逃げ道が増えたことが好転のきっかけとなりました。WBの2人と郷家も下りてくることで圧倒的数的優位を得ることになり、大分は迂闊に前に出られなくなります。GKも含めたら8対6の状況が生まれます。その結果神戸がボールを保持して、敵陣に攻め込む場面が増えました。後は単純に、動きが目に見えてシャープになっていました。前半は少し迷いながらプレーしていたのが、頭がクリアになったからか、迷いなく勇敢に大胆にプレーするようになり、ハイプレスを恐れずにプレーができていました。

5-4-1を攻略する

神戸の課題であるアタッキングサードでの崩し。前半はビルドアップが上手くいかないことでCFの藤本が孤立。チャンスらしいチャンスはそれこそ、先制点が生まれた20秒のシーン以降ありませんでした。しかし後半はビルドアップの変更も相まってボールを持つ時間帯が増え、いろんなアイディアが出てくるようになります。

特に印象的なのは郷家のプレーです。彼のことをずっとサイドの選手だと思っていましたが、実は8番(インサイドハーフ)がベストポジションなのではないかと思い直してしまうほど、存在感を放っていました。ライン間での引き出しが絶妙で、相手の視野から消えてボールを受ける動きはまるでイニエスタを彷彿とさせます。

ライン間でボールを受けてからのアイディアやプレーの幅もあります。ワンタッチで古橋に流して決定機を生み出したかと思えば、低い位置からスピードのあるドリブルで中央から前進して数的優位を生み出すこともできます。狭いエリアで強いボールを受けても慌てずにコントロールして、シンプルに繋ぐこともできます。前節の鳥栖戦でのゴールでもあったように、ゴール前で決定的な仕事をすることもでき、これからチームにとって欠かせない選手になっていく予感を漂わせる選手です。イニエスタの後継者は安井だと思っていましたが、郷家の方がよりイニエスタに近い役割を担えるのかもしれません。

しかし後半の立ち上がりこそ大分のゴールまで迫る神戸ですが、一旦試合が落ち着くと今度は逆襲を受けて決定機を2度ほど作られてしまいます。飯倉のビッグセーブと相手のシュートミスに助けられて何とか失点はしませんでしたが、前半同様またもカウンターで流れを作られる神戸。

ここでフィンク監督はさらなる奇策に出ます。交代で4人同時投入というなかなか見ない采配をします。プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドの試合で先日、5人代えというのがありましたが、それに次ぐ衝撃でした。(笑)メンバーを多く代えるというのはフィールドの選手を半分代えるということで、チームとして成立するのか不安でしたが、杞憂に終わりました。若い選手も活き活きとプレーしていましたし、自分が交代で入った意味を分かっているようでした。

小田は積極的にボールに絡んでいましたし、佐々木はフィジカルを活かしてボールを懐に収めて、シンプルな繋ぎでリズムを生み出していました。何よりドウグラスが入ったことで前線にターゲットが生まれ、選手の頭がまたクリアになったと思います。しかしスコアは動かずに残念ながら試合終了。決定機はお互いにありましたが、どちらも決めきれず。

雑感

アウェイ大分戦は1-1の引き分けに終わりました。しかし収穫は多い試合だったと思います。結果はどうあれ、若手をたくさん試すことができ、CB山口という新システムの導入を試すこともできました。相手がベストメンバーだったことを考えると、アウェイで勝ち点1は上々どころか、望外の結果でもあると思います。

イニエスタ、ドウグラス、フェルマーレン、サンペール、ダンクレーという主力を担う5人を温存しながらこれだけのサッカーができるのか、と驚きとともに、監督の英断を称えずにはいられません。もちろん結果が求められるプロの世界なので、いくら世代交代と外野が叫んでも、主力の選手を使いたくなってしまうものです。しかしフィンク監督は結果を失うことを恐れずに、控えメンバーを信頼して次々と送り込んでくれました。一つ間違えば無様な大敗もあり得た試合ですが、結果的に見れば神戸の意外な層の厚さ、若手の将来性を大分に見せつけた格好となりました。

話題となっていましたが、DHに入った佐々木は素晴らしい選手ですね。恵まれた体躯を活かしたボールハンティングと、風貌に似合わないしなやかな動き、そしてボール捌き。圧巻だったのが、試合終了間際に見せたドリブル突破からのラストパス。相手の守備ラインが崩れているのを見た佐々木はドリブルを選択し、中央をゴリゴリと押し進んでいき、敵を引きつけて最後は小田にパスを通しました。彼のスケールの大きさを感じさせるプレーで、最後のシュートを決めていれば完璧でしたが、それでも一連のプレーで彼の将来性に胸を躍らせた人は多くいるはずです。

山口をCBに入れる大胆策も良かったと思います。山口は守備力はもちろん、球出しにも優れた選手ですし、ワイドにロングボールを蹴り分けることもでき、CHに斜めの鋭いパスを入れるのも上手い選手です。ドイツのバイエルンミュンヘンで元々SBだったアラバがCBでも難なくプレーしているように、CB山口はオプションに留まらないほどの可能性を感じました。

結果こそ1-1で物足りない感じはありますが、選手起用や新システム含めていろんな収穫があった試合でしたし、今後の神戸がさらに楽しみになってきました。復調を期待していた古橋が遂に点を取りましたし、再三キレのあるドリブル突破でチャンスを作っていました。次節はホーム清水戦です。個人的には佐々木のスタメン大抜擢に期待したいと思います。主力組に混じったときにどんなプレーを見せるのか、興味があります。フィンク監督にはこれからも、結果には多少目をつむっていろいろと試してもらい、良い部分をどんどん取り入れていって欲しいですね。神戸の未来に幸あれ!!!

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