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【マッチレビュー】明治安田生命J1リーグ 第6節 セレッソ大阪対ヴィッセル神戸

こんにちは。銀さんです。今節は上位陣との対決です。相手はセレッソ大阪。前節終了時点で4勝1敗の勝ち点12。順位は2位です。昨シーズンから指揮を執るロティーナ監督のサッカーが浸透し、今シーズンは内容・結果ともにハイレベルなものを見せてくれているC大阪。対する我らが神戸は勝ち点8で8位。悪くはない数字です。しかし、クラブが目指すのは「優勝」。その目標を達成するためには上位陣との戦いでも圧倒するくらいのクオリティを見せる必要があります。中3日の過密日程となる今節。交代策も勝敗のカギを握る予感がします。

スタメン

C大阪は4-4-2 神戸は3-5-2

 

神戸はこれまでの4バックから3バックに変更をしてきました。フェルマーレンが復帰すれば3バックもあり得るとは思っていましたが、まさか若手の菊池を3バックの一角で起用してくるとは思いませんでした。思い切った起用をしてきましたね。ダンクレーは怪我でしょうか?中盤でもサプライズ。アウェイでは起用しない方向性を打ち出していた監督ですが、大一番ということで、イニエスタをインテリオールの位置で起用してきました。WBも含めた中盤の5枚、そして前線の2人はお馴染みのメンツ。監督の本気度が窺えます。

対するC大阪も本気中の本気。再開初戦のG大阪戦、名古屋戦と同じメンバーを組んできました。配置的には守備的な4-4-2ながら、ボール保持時はDHのどちらかがCBの横に下りてきたり、右SBの松田が低い位置で留まったりして、相手の守備組織に応じてビルドアップの形を変化させることが出来ます。同じポゼッションスタイルを志向するチーム同士、スペースを奪い合う高度な駆け引きが行われるはずです。もちろんここまで休みなく稼働しているわけですから、疲労は間違いなく溜まっているはずですので、相手の守備組織を左右に振って、疲労を誘うようなサッカーをしたいところです。

前半

神戸のボール非保持

神戸は立ち上がりから、ハイプレスで相手のビルドアップを遮断する姿勢を強く打ち出していました。C大阪の4-4-2の守備ブロックを丁寧に崩していくというのは容易ではなく、それは相手にとっても同じことが言え、いかに「守➡攻」の切り替えで、相手の「攻➡守」の切り替えを上回っていくか、というところに焦点が当てられていました。

お互い後方に出来るスペースをある程度許容しながら、ハイラインでタイトなプレッシングを行ったことで、奪ってからのショートカウンターでチャンスを作ったり、逆にマークを剥がされて一気にスピードが上がったりと、お互いの攻撃的な姿勢が非常にスリリングな試合を演出していました。

サイドに誘導して奪う

 

神戸の守備時の配置は5-4-1。CFのドウグラスをそのままに、相棒の古橋が左SHの位置に下り、右インテリオールの山口が右SHに、さらにDHのサンペールがイニエスタと横並びで中央を締める形です。神戸の守備の狙いとしては相手が後方2枚でビルドアップをしているときはCFのドウグラスがどちらかのサイドに誘導し、相手SBにはそれぞれのSHが中を切りながらアプローチをし、縦にボールを誘導してボールを奪うというもの。

この形が前半はかなり機能しており、タイトな守備で相手のミスを誘ってチャンスを作る場面もありました。またミドルゾーンで構えるときもチームで意思統一が出来ており、全体をコンパクトに保ちながら、C大阪の狙いであるライン間でのプレーを封じることができていました。

やはり守備の安定という面で見ると、神戸は3バックの方がやり易そうに見えました。両WBがSBの位置に下がることでサイドのスペースを消すことが出来ますし、CBが相手CFに付いて行っても後ろの4人でスペースを埋めることができるので、3CBのフィジカルを活かしたタイトな守備という特徴もしっかり活かすことができていました。

さらには中盤のラインにも4人の選手がいて、両SHに入った山口と古橋がタフな守備で幾度も相手SBからの展開を阻止することに成功していました。この5-4-1という配置は神戸の選手の特性を最大限活かすという意味でも、今の神戸に最もふさわしい配置だと思います。それもこれも、菊池がCBの一角として計算が立つ選手になりつつあるからこそ、そして菊池を抜擢してくれたフィンク監督の英断あってこそ、ですけどね。

神戸のボール保持

今節の神戸はボール保持も冴えていました。何と言っても3バックを敷いたことで、サンペールが下がる必要がなくなったことが大きいですね。相手の中盤と前線のライン間をうろちょろしながらパスの出所を探したり、CBの横に下りてパスを受けたりしながら、そこから長短のパスを使い分けてリズムを生み出す彼の存在は、やはり神戸のサッカーには必要不可欠だと思います。

C大阪は神戸のボール保持に対して勇敢な守り方をしてきました。盤面通りの噛み合わせであれば、左SHの位置に入った清武は後ろにいる神戸の右WB西と、右CHの山口を意識して少し下がり目のポジションを取るのがセオリーですが、左SHの清武が右CBの菊池までプレッシャーをかけてきました。

SHがCBへ寄せていくC大阪の守備

 

そして清武が空けたスペースを左SBの丸橋が埋める形で右WBの西にマークに付き、スライドした左CBが右CHの山口に付く形でリスクを負って対応をしてきました。しかし菊池が素晴らしいのは最初にミスが出た後でも冷静に、プレッシャーを受けてもGKまで下げるなどの安全策をしっかり取れていたことです。ともすれば弱点となり得たポジションでしたが、ミスに動じずに堂々とプレー出来ていたのは素晴らしいことです。

神戸は後方3枚に対して前線3枚でプレスをかけて嵌めに来る相手に対して、前後半通してかなり苦労した印象です。サンペールを経由して展開するのが神戸の狙いですが、それを熟知しているC大阪は3枚でサンペールのパスコースを切りつつ、プレスをかけることができていました。神戸としてはなかなかボールの出口を見つけられずに、GKまで下げさせられるか、苦し紛れのロングボールを蹴らされて回収されるなど、相手の術中に嵌ってしまった格好となりました。

後半

プレスラインが下がるC大阪

C大阪の守備の配置は前半と変わらず4-4-2。前半何度か中盤と前線のライン間をサンペールやイニエスタに使われる場面が目立ったので、後半修正を加えて、よりコンパクトにスペースを開けないようなゾーンで待つ守備に変えてきました。神戸はC大阪が少し引き気味になったことでボールを保持できましたが、回しているというより、回されているという現象が起きていました。

前半と変わらずC大阪の2トップが神戸の後方3枚に対して、サンペールのコースを切りながらサイドに誘導する守備を実行してきました。さらに両WBにボールが入ったときにもSHが激しい守備をすることでボールを下げさせていました。また前半同様、CBにSHが出て行く形もありましたが、両SHの清武と坂元の消耗が目立ったので前半よりは頻度は少なく。出て行って奪いに行くよりも、ゾーンを埋めることを意識して、相手の侵入を許さないという方向性にシフトをしてきた格好です。

神戸は「相手が自陣に引いたときにどう崩すか」に例のごとく、四苦八苦していました。イニエスタが下がって受けたり、サイドチェンジを入れたり、CHが斜めに抜けたり。マークのずれや陣形の間延びをさせようとあらゆる手を打ちますが、C大阪の連動したコンパクトな守備は全くほころぶ気配がありませんでした。唯一サイドチェンジから、SH清武のスライドが遅れたところで1対1の場面を作り出すことができていましたが、相手のクロス対応にも隙がなかったため有効打にはならず。

神戸はまさに八方ふさがり状態。ボールを保持する時間は長かったのですが、シュートチャンスは少なく、後半の決定機は多分ゼロだったと思います。それほどC大阪の守備は統率されていて穴がありませんでした。後半は完全にC大阪ペースで試合が進み、何度か決定機もありましたが、GK飯倉のスーパーセーブにも救われて、そのまま0-0で試合を終わらせることができました。

神戸は守備に体力を消耗させられてしまったのか、「守➡攻」への切り替えが少し物足りなかったです。相手はボールを保持しながら前進をしていくチームなので、自ずとDFラインは高く設定されています。そこを古橋やドウグラスのスピードで打開するカウンターのチャンスがありながら、スピードダウンしてしまっていました。

前節の清水戦はボール非保持からチャンスを作っていただけに、今節もカギを握る局面であるはずでしたが、みすみすチャンスを手放しているようにも映りました。守備でブロックを作ることに集中するだけではなく、奪った後のカウンターの形というのも、是非今後作っていって欲しいですね。

雑感

満足度の高いハイレベルな試合を見せてくれたことに、まずは感謝しかないです。試合でこれだけ鳥肌が立ったのはユナイテッドの最近のゲーム以来で、日本の試合では久しぶりな気がします。それ程海外のサッカーに負けないくらいの強度が90分続いていましたし、お互いショートパスを繋ぐスタイルを貫き通して、ハイレベルな「組織的攻撃vs組織的守備」を見せてくれました。まさに海外基準の試合でした。

神戸としては調子の良いC大阪から勝ち点1を得られたことを喜ぶべきだと思います。何度も危ない場面があり、その度に飯倉に救ってもらい、0-3で負けてもおかしくない試合を引き分けて終えられたのは望外の結果とも言えます。それだけC大阪は素晴らしいチームでした。間違いなくJ屈指の好チームです。

ボール保持時にはDHの2人が左右に開くことでパスコースを提供し、相手がハイプレスを仕掛けてきたときもGKから左右に正確なロングボールが入るなど、ビルドアップを安定させるための引き出しが神戸よりも圧倒的に多かった印象を受けました。準備してきたであろうビルドアップの形もありましたし、迷いがない溌剌としたプレーぶりから、ロティーナ監督の戦術家としての一面を垣間見ることができました。

球際の攻防も海外仕様で、前を向かせないだけではなく、奪いに行く寄せ方をしていてとても好印象でした。この一戦にかける強い思いが伝わってきて、何だか嬉しくなってしまいましたね。日本サッカーの進歩を感じることができました。スコアは0-0でしたが本当に満足度の高い試合でした。今夜はぐっすり眠れそうです。それでは。

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